たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

煽り運転の宮崎文夫と一緒にいた「ガラケー女」の身元特定は、やっぱりデマだ

「ネットの特定班の情報は鵜呑みにできない」ということが常識になりつつある2019年、それでも我々日本人は愚かな過ちを犯している。

Instagramで宮崎文夫とつながっているというだけで、例のガラケー撮影女に認定されてしまった女性。既に弁護士を立てて、法的措置を検討中とのこと。

news.yahoo.co.jp

これじゃ完全に「スマイリーキクチ事件」の繰り返しだ。

スマイリーキクチさんの一件はSNSが普及する前の話だけど、そこから我々は何にも学習してこなかったということになる。

澤田のブログで何度も書いていることだけど、「あいつが犯人だ」と決めつける特定班はそれを稼ぎの種にしている。

大衆をまとめサイトに誘導し、Googleの広告料を頂戴している。

これは貧困ビジネスと殆ど同じ構図であって、暇があって金がない人々から「時間」という財産を搾取している。

 

 

そもそも、実際に関与したかしてないかにかかわらず指名手配されてもいない人物を「あいつが犯人だ」と集団で決めつけるのは、中世ヨーロッパの異端尋問と一緒だ。

それがいかに野蛮な行為か、分からない人たちが一定数存在する。21世紀もそろそろ20年経つのに。

東名高速煽り運転の時に誤爆を受けた会社は、デマを拡散した8人に計880万円の損害賠償を請求している。

www.asahi.com

つまり、此度の「ガラケー女事件」でデマを書き込んだ人間も、最低100万円の請求を覚悟しなければならないということだ。

自信満々で「あいつがガラケー女」と書き込んでた人間がごく普通の会社員とか、それこそ非正規の派遣労働者だったらどうするのよ?

100万円、払えるの?

払えないよね?

それ以上に、SNSであれだけ拡散協力してくれていた取り巻きは、いざ自分が現実世界で窮地に陥っても絶対に助けてくれない。

当たり前だ。何が悲しくて、ネット上でしかつながりのない人間を助けなきゃいけないんだ。

今でも「あいつがガラケー女」と言ってるTwitterユーザーは、今のうちに100万円を工面する方法を思案したほうがいい。

SEOのせいで、古参の作家の発言力が弱くなっているかもしれない件

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作家の井沢元彦氏の新刊が、ちょっとした話題になっている。

内容というよりも、そのタイトルのお陰で。

 確かに、これはちょっとアレだ。

このタイトルをありのままに受け止めるなら、伊達政宗がそんな早く天下を取れるわけがないと思う。関ケ原当時の伊達は、上杉と佐竹と最上に囲まれていた。まずはそいつらをどうにかしないといけないわけで、それだけで数年はかかるはずだ。

ただ、そのあたりは井沢氏も分かっていると思う。だからタイトルだけで書籍を判断するわけにはいかない。

それに、このタイトル自体は井沢氏の考えたものではないと思う。

どうもこれ、いかにも最近の新書という感じのタイトルで、考えたのは宝島社の若い編集部員じゃないかというのが澤田の推測だ。だってさぁ…このタイトル、『もしドラ』の何十番煎じじゃん…。

でも、こんな感じのタイトルが10年来の流行(陳腐化しかけてるけど)になってるのは事実。

で、これは井沢氏が若い編集部員に逆らうことができなくなってるんじゃないかと澤田は邪推しているわけだ。

「先生、このタイトルのほうがネットでバズりやすいし、そもそも今の人はスマホAmazon利用してますから、最初から話の結論を持っていくほうがいいんですよ」

そう言われて井沢氏が頷いてしまった可能性がある。

 

見方を変えれば、それだけ紙の本が売れなくなってきているのかもしれない。

井沢氏のように、澤田が生まれる前から物書きやってる人にとって今の時代は下手すりゃ地獄だろう。

昔と違って、SEOというものを考慮しなければならない。

その視点から見れば、『もし関ケ原の~』というタイトルは『逆説の日本史』とか『日本史の叛逆者』よりも優れている。特に、井沢作品に触れたことのない若い読者を開拓していくなら尚更だ。

しかもそれは、本の内容を最初から総括したものでなければならない。『日本史の叛逆者』なんてタイトルだと、その内容が推測しづらい。スマホを使ってAmazonで検索している人々は、内容の想像できない本はスルーしてしまう。

端的に言うと、昔のやり方で本は売れなくなったということだ。

少なくともSEOを理解していないと、古参の作家と言えど編集部内での発言力は弱くなる。正直、これは当然の現象だと澤田は思う。

古参だろうと新人だろうと、この世界の基本ルールは「サバイバル」だ。

関わりたくないこんなライター1:予言大好き人間

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物書きという仕事をやっていると、あんま関わりたくない性質の同業者にどうしても出くわす。

その話題をする時に必ず澤田が挙げるのが、「予言大好き人間」だ。

 

この予言大好き人間とは、実は己の枕のなさを棚に上げてるタイプなんだけどね。

何か物を書こうとすると、どうしてもネタが枯渇気味になる。それを発掘するには、己の足で動いてどうにかするしかない。けれどそれをやらずに、何か特定の分野で予言をすることでポイントを稼ごうとするライターも存在するわけだ。

どういうことか。澤田の周りで実際にあった例を挙げよう。

インドネシア高速鉄道計画が日本案から中国案に決まった時、「俺は最初からインドネシア政府は中国案を選ぶと確信していた」と主張する奴がいた。いや、それだけならまだしも「日本案になるわけがないのに、あの時澤田は“日本案有利”と報道していた」と言い出したんだな、そいつ。

これが予言大好き人間というやつだ。ついでに言うと、予言と予測はまた違う。

ライターの仕事は物事を予言することじゃない。事実をいろんな角度から観察することであって、その中で多少なりの己の見解を混ぜつつ、予測を立てる。それで澤田は米を取っているという自覚はちゃんと持っている。

仮にその見解がまったく的外れになったとしても、それはそれで構わない。当たり前だ。タイムマシンはまだ存在しないんだし、「なぜ見解が外れたのか」ということを研究材料にできる。ましてや予測なんて、外れてナンボじゃねえのか?

大体、公のメディアで一ライターが「これは必ずこうなる!」と断定口調で書けるわけないじゃないか。

未来のことを100%的中させなければ満足できないライター、はっきり言って迷惑だ。他人にその100%的中を押し付けるからね。

ところが、このテのライターはたまに見かける。繰り返すけれど、こういうタイプの同業者は意外とネタを持ってない。

 

予言大好き人間は、もし自分がデマを拡散した時にそれを撤回しようとはしない。

なぜなら、「自分は絶対に正しい」から。

で、そういうタイプが金銭的に困窮した時に始めるのが、いわゆる「自己啓発セミナー」だったりする。「これこれこういうことをやれば間違いなく儲かる! 間違いない!」という論調の内容で受講者から搾取しようとする。

ライターの世界で己のオピニオン性を発揮できず、切羽詰まって詐欺的なビジネスに手を出す例は珍しいことじゃない。

だから、どんなジャンルであれ予言をしたがるライターには要注意だ。

ネット上のデマは儲かる!

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常磐自動車道煽り運転の犯人が指名手配された。

www.nikkei.com

どうやらトンズラこいてるらしい。例の女と一緒なのかな?

それはともかく、犯人に関してはまとめサイトTwitterで「本名は在日朝鮮人の金村竜一」と言われていた。もちろん、これはデマだ。

2019年の今でもまとめサイトの情報を信じてる人間が一定数いることにも驚きなんだけど、ある特定の思想の持ち主に働きかけるようなデマを配信してGoogle様から広告料をいただくという手法が存在することにいい加減気付いてほしい。

ネット上のデマは儲かる。いや、イデオロギーで大衆を扇動する行為は儲かると表現するべきか。

「金村竜一」を信じていたそこのあなた、まとめサイトの運営者に搾取されてるんですよ?

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「自宅でライターのお仕事をしています」と名乗る人間が、根拠のないデマを拡散。

すべてはフォロワーを増やすためだ。

SNSのフォロワーは金になる。

Instagramではどういうわけかフォロワー1万人越えの綺麗なお姉さんが同じタイミングで同じ水を飲んだり、一斉にシャワーヘッドを買い替えたりするんだけど、本人からすればそういう案件が舞い込んでくるから必死になってフォロワーを増やそうとする。

ここで注目したいのは、市場には売り手と買い手が存在するということだ。新陳代謝の良くなる水や塩素を取り除くシャワーヘッドを買わされる人間がいる。平たく言えば、インフルエンサーに搾取される人間がいる。ていうか、世の中モノを売る人間よりもそれを買う人間のほうが圧倒的に多いからね。

出所不明の情報に躍らされ、デマの拡散に手を貸し、最終的には訳の分からんものを大量に買わされる。

もっとも、上のツイートの自称ライターがごってり金を儲けているとは思えない。3800フォロワーなんて、はっきり言って中途半端な数字だ。

だからこそ、もっとフォロワーを増やさないといけないという強迫観念がデマ拡散に走らせる。企業に能力を搾取されている個人事業主は、同時に一般大衆を搾取する。

デマのあるところに、必ず搾取がある。

静岡市のMaaSは、多分失敗する

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最近、静岡市役所に度々足を運ぶようになった。

目的は交通政策課。もちろん、向こうにとって自分が厄介な客だとは重々承知している。

それを踏まえて言わせてもらったんだけれど、静岡鉄道と静岡市が一緒になってやってるMaaSとAI相乗りタクシーの事業は、失敗する可能性が高い。

www.nikkei.com

まず、この計画は今年から4年かけて実用化するという代物であるということ。

4年だよ、4年。普通に考えて、2023年まで待たないといけないってことだよね?

その間にViaやらGrabやらWhimやらの黒船がやって来る、ということはまるで考慮に入れてない。交通政策課の職員もそういうことを微塵と思案していない。

なのに、今の時点でさえ静岡市役所の受付の職員に「MaaSを担当してる部署ってどこ?」と聞いても「まぁす?」と返される始末。担当部署の人間以外にMaaSを知ってる人が皆無だ。もちろん、一般の静岡市民は尚更。

なのに担当職員は、

「これからだんだんと周知させていきます」

と、呑気なことを言っている。次の実証実験は10月にやるはずなのに、その周知すらしていない。

ふざけてんのかな?

 

現状の日本人の大半は「MaaS」という単語を知らない上、ライドシェアの便利さを味わったこともない。だから、それがこれからの地球上での生活にとって必要不可欠なものだという意識もない。

せめて乗車前決済のできる配車プラットフォームだけでも今年中にローンチすればいいのに(今はまだ相乗りにこだわる必要はない)、いつまでも調査調査調査調査調査調査調査試験試験試験試験試験試験試験でずるずる長引かせて、ようやくローンチした頃には既に外資が進出してるという状態。そういや静岡空港LCCを誘致しようという時も、何年も地元住民対象の聞き取り調査をやってたっけ。まあ、これは静岡市じゃなくて静岡県の話だけど。

とりあえず何らかのプラットフォームを出しておいて、後からアップデートという形で機能を付け加えるという発想がないんだな、恐らく。

正直、これだったら外資を連れてきた方が早いって誰でも考えるよ。

 

「少年革命家」を見て、澤田はいよいよ焦り出す

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三十路も半ばを迎えようとしている最中、ちょっと慌てている。

理由は、読書の時間がすっかり取れなくなったからだ。

20代の頃は毎日本屋と図書館に通っていたから、その分だけ読書量は確保されていた。ところが、下手に物書きとしての仕事に恵まれた今ではなかなか読書の時間が取れない。

だいぶ焦っている。

こういう気持ちになったのは、例の「少年革命家」の影響もある。

 

不登校であることは、別に悪いことではない。不登校になる理由もいらないと澤田は思う。

ただし、子供にはやっぱり学問が必要だ。少年革命家の父親の何が腹立たしいかというと、彼は「学問の習得」すらも否定しているようにしか見えないからだ。

一番手っ取り早い「学問の習得」は、読書。それに限る。

極端な話、人生を生き抜く上で必要なスキルは読解力と語彙力だけだと思う。それ以外に必要ない、というのは言い過ぎか。いや、澤田は本気でそう考えている。

ところが、読解力も語彙力も学問を積まないと身につかない。

これは鉄のようなもので、熱して叩いて研いでいればピカピカの状態を保つことができるけれど、放っておいたらどんどん錆びていく。「ググればええやん」という問題ではないことは確か。ググらずとも即座に唯一無二の言葉を捻り出すには、読書の積み重ねが絶対に必要だ。

 

それが分かっているから、澤田は焦っている。

10代の頃の澤田は、幸いにして本を勧めてくれる大人が存在した。物書きの師匠の小野勝也博士だ。この人は岩波の文庫や新書だけじゃなく、「朝日と産経を読み比べなさい」と言ってくれた。「どちらが正しいか」じゃなくて、視点の違いが報じ方の違いになっていることを小野博士は教えてくれていたわけだ。

スマホではそれができない。だから、紙の新聞が置いてある図書館はものすごくありがたい。

ところが、その図書館に通う時間すらもすっかり取れなくなっている。

このままじゃまずい、という危機感はしっかり認識しているつもりだ。

7pay騒動で肝を冷やした澤田

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幸いにも、澤田は7payを利用していなかった。とりあえず試しに使ってみようかとも考えていたから、危なかったね。

今の時点で、「どこがどう脆弱だったのか」という具体的な発表は公式からはない。もっとも、あの記者会見を見た限りでは「脆弱性に関する具体的な発表」というのも期待できないんだけど。次の記者会見でも「お客様にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません」という謝罪の文言でお茶を濁すんじゃねぇのかな、と邪推している。

それはともかく。

先月、澤田は静岡市の公営施設でQRコード決済講座をやった。事前にそこの施設長と話し合って、QRコード決済のメリットだけじゃなくて脆弱性に関しても解説した方がいいんじゃないかということになり、去年のPayPay不正利用について受講者に説明した。

結局、どの銘柄を使うにしても「もし何か起こったら」ということを想定した方がいい。

不正利用があった場合の補償額は、各社によってまちまちだ。このあたり、事前にチェックしておいて損はない。

てか、そのうち国から補償額についてのガイドラインが出るんじゃねえのかな? QRコードを一括化をするのなら、補償額だって一括化しないとアレだしね。