たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

辞書は安く売っちゃダメだ

image

澤田の持ってる日本-インドネシア語辞書がボロボロで分解寸前だから、本屋行って新しいの買ったんだよ。

でも、何でインドネシアで売られてる辞書って日本円で1000円もしないわけ?

安い分、薄くてチープなソフトカバー仕上げなんだよ。これじゃ頻繁にめくったら絶対壊れるぜ。まあ、それしかないから買ったんだけどさ。

だけど、辞書だよ? ポケット版はともかく、机の上で使う辞書は高級品でいいから分厚く丈夫に作ってくれよ。それ相応の金は出すからさ。ポケット版の延長線上みたいなものしかないっつーのはどういうことだ。

辞書を安く売れば語学を志す人間が増えるっつー考えは、絶対に間違ってる。緒方洪庵適塾なんて、たった1冊しかない蘭和辞書を塾生みんなで回し読みして写し取って、それで優秀な人材をどんどん輩出したんだから。澤田の物書きの師匠の小野勝也博士は、80年代の蘇州大学で日本語講師をやってたんだけど、その時代の中国はスマホやPCどころかロクに辞書も揃ってなかったんでしょ? 今の蘇州大学で主任やってる人って、要するにその頃の学生なんだよ。毛沢東文化大革命焚書をやらかした直後の時代で、本自体がとんでもねぇ貴重品になった。その中で仲間うちで回し読みしてたわけだ。

辞書を買うことができないってぇなら、図書館行くなりみんなで貸し借りすりゃいいんだよ。そんでもっていつまでも手元に置けないから、辞書の内容をノートに書き写す。語学って、そうやって覚えるもんじゃないの?

インドネシア人って、どうして辞書をもっと立派に作らせないんだろう。辞書と博物館を見れば、その国の学術レベルが本当によく分かる。これじゃロクな日本語人材が育たねぇぜ。ジャカルタ首都圏の大学の学長も言ってたけど、アニメだけで日本語会話をマスターしようってのが多いみたいだね。

「辞書に勝る教師はない」っつーのが、この国じゃ理解されないのかね?