たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

ガジェットライターはココに気をつける:クラウドファンディング調達金でテメェの自宅を新築しちまった「Peachy Printer」

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クラウドファンディングとは「夢を叶える手段」だ。そういう側面があるのは否定しない。

言い換えれば、銀行もベンチャーキャピタルもまったく注目してないプロジェクトを具現化する目的で存在するものだから、何かをやりたいけど資金のない人にとってはこれ以上ない資金調達手段だと思う。

そんなクラウドファンディングには、いろいろと奇想天外なプロジェクトも公開されている。それを世に広く伝えるのが我々Web物書きの仕事。

ただ、「夢」という単語は「欲」の発展系だという事実を我々は認識する必要がある。

欲は万物のエネルギー源だけど、その持ち主がちゃんと管理しないと暴走するものでもある。欲に支配された人間は何でもする。本当に、何でもする。ちょっと考えれば実現不可能のプロジェクトをクラウドファンディングで公開し、その調達資金をテメェの個人口座に入れちまうことだってある。

或いは、最初は本気でプロジェクトを具現化する予定だったけど、ベラボーな調達資金を目の前にした途端にそれを着服しちまった例もある。

それが2013年にKickstarterで公開された『Peachy Printer』だ。

www.kickstarter.com

たった100カナダドルで手に入る3Dプリンターは、2013年当時は革新的だった。

ところが、共同開発者の片割れがKickstarterで集めた資金を己の家の新築に宛てた。これはピンハネどころの騒ぎじゃない。完全な詐欺だ。

もちろん、そんな状態で製品が完成するはずがない。2018年の今でも、Peachy Printerのキャンペーンページにはリファンドコールが相次いでいる。

クラウドファンディングが「ファンディング」である限り、こういうことが起こる可能性は常にある。

だから物書きは、クラウドファンディングの実行者から絶っっっっっっっっっ対に執筆報酬をもらうわけにはいかない。