たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

池袋事故の「さん付け」論争について

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昨日の池袋の事故の加害ドライバーが何で「○○容疑者」じゃないんだ、という声がある。

簡単な話で、それはまだ警察が逮捕状を取っていないからだ。

それじゃあ、何で奴を逮捕しないんだ、と返される。それは「逮捕」に対する誤解以外の何ものでもない。みんな「逮捕=現行犯逮捕」と思い込んでいる。

逮捕の殆どは「通常逮捕」だ。被疑者の自宅に文書で通知されて、指定の警察署に出頭するよう言われる。それを決めるのは裁判官だから、普通は相応の日数がかかる。今日明日というわけにはいかない。大体、事故が起きたのは昨日じゃないか。

加害ドライバーの車にはドラレコがあって、それを提出しているから証拠隠滅の恐れがない、つまり現行犯逮捕する必要性がないということだ。

明確な映像があるから、裁判所は事故をじっくり検証することができる。

 

まだ逮捕されていない加害者を、どう呼ぶのか。

TOKIO山口達也が「山口メンバー」と呼称されていたのと同じで、それが嫌ならやっぱり「さん付け」しかない。

だから、今回の事故の加害者も(実名報道をするなら)今のところは「さん付け」でもまったく構わない。だって、それしか呼び方がないんだから。

加害ドライバーが「容疑者」になるには、あと1週間はかかるんじゃないか。

というよりも、ドラレコという文明の利器が即座に事故の全容を解明できるようにしてしまった。ここで敢えて「してしまった」と表現しているのは、ネットユーザーの意識も文明の利器に流されて迅速化しているからだ。

1週間か2週間もすれば、ネットユーザーの望み通り「○○さん」が「○○容疑者」になることは間違いないのに、それが待てない。てか、2週間もすればネット上の大衆は事故のことなんか忘れて、他の炎上騒動に夢中になっているに違いない。

 

今回の事故で分かったのは、やっぱりドラレコは装備すべきだということ。これをきっかけに、一般車へのドラレコ義務化議論が進むんじゃねぇか。

あと、ライドシェア。高齢者ドライバーの免許返納を進めるなら、自家用車の代わりになる足がどうしても必要だ。いい加減、ライドシェアサービスを導入しないと免許返納なんて誰もしないだろ。

大体、MaaSは言い換えれば「自家用車を減らす仕組み」だからね。