たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

G20のテクノロジーブースは「日系テクノロジー企業の弱点」がモロ見えだった

G20の会場でこの記事を書いてます。

3年前の伊勢志摩サミットもそうだったんだけど、国際メディアセンターはある種の見本市みたいになっていて、テクノロジー分野の企業ブースもある。

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ロボットとかiPS細胞とかロケットとか、まあいろいろあったんだけど、よく見たら「スマホアプリを使って何かする製品」が皆無だったんだよなぁ。

要するに、一般人がスマホを使ってあれこれするサービスに関しては日本は完全に出遅れてる、というより苦手分野だっつーのは理解できた。これが中国だったら、「新しい形のライドシェア」とかがブース出展するんじゃねぇか?

主催者(日本政府)は「メイド・イン・ジャパンの技術の凄さ」を披露するつもりでこういうブースを出したんだと思うけれど、澤田から見れば「便利なアプリを創出できない」日系企業の弱い部分がまざまざと浮き出ている。

それに思い返してみたら、10年前までモバイルテクノロジー分野は日本のお家芸だったじゃないか。2000年代前半から半ばまでは、ノキアが企画中だったサービスの大半が日本で既に実現しているような状態だった。それが何で「苦手分野」になっちまったんだ。

「日本の底力」を宣伝する前に、まずは「10年間の衰退」について考えた方がいい。

 

一方で、料理は良かった。

G20のメディアセンターでは記者向けの料理が無料提供されてるんだけど、西日本の物産を使ったメニューがバイキング形式で並ぶ。それに関しては、日刊SPAで記事にした。

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日本産の清酒やワインのコーナーもある。この辺に関して文句を言う記者は、あまりいないんじゃないか。

そういえば東南アジアでも、現地進出の日系企業の中で特に好調なのは飲食分野だ。10年前まではあれだけ得意だったモバイル分野は少しずつ衰退しているけれど、飲食分野は絶好調。その様子はG20の企業ブースでも窺い知ることができた。

そういう意味で、今回の大阪G20は「日本を現状を表した国際イベント」だと思う。