「自分は捕まらない」という能天気さがデマを拡散させる
「ガラケー女」は喜本奈津子という名前だった。
これは警察発表だから、間違いない。間違いないからこそ、こうやって堂々と犯人の本名を書ける。
喜本容疑者が捕まらなければ、それまで「ガラケー女」と判断されていた女性はいつまでも誹謗中傷を浴びていたはずだ。
今からほんの6時間前は、
「お前が犯人じゃない証拠を見せろ!」
とTwitter民は書き込んでいた。今では、
「真犯人の顔にモザイクをつけたマスコミが悪い!」
ということになっている。
さらに酷いことに、無関係の女性を犯人だと決めつけて中傷するツイートが今でもTwitterに残っている。
どうして削除しないのか。それは「自分は捕まらない」という能天気さがあるからだ。
「たかだかネットの揉め事」と思っているから、女性の無実が晴れた今でも自分の所業を悔い改めようとはしない。
スマホの液晶画面の向こう側にいる人間に人権はないと思っている。というより、Siriの合成音声のようなものだと考えている。
だから、その「合成音声」から損害賠償を請求されるとは夢にも思っていない。
この心理、あちこちで煽り運転を繰り返した宮崎文夫のそれとどう違うんだ?
これからデマを拡散した人間の捜査が始まる。投稿をリツイートした人間も対象だ。安くてもウン十万円の損害賠償と弁護費用がすっ飛ぶ羽目になる。
けれど、それは当然の報いだ。
「たかだかネットの揉め事」という言い訳は、もう通用しない。