たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

どうして人は「誹謗中傷」を書き込むのか?

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有名人に対する誹謗中傷を書き込む人間は、なぜそんなことをするのか?

澤田はこれを「嫉妬」と「焦り」と解釈している。

ライター、漫画家、劇作家、タレント、スポーツ選手、評論家etc。これらの職業の人々は、世間一般から見れば「自分の好きな分野でカネを稼いでいる人たち」だ。いや、実際にそうだというわけじゃない。あくまでも、この世の大多数の人々からそう見なされているという話をしている。

「俺は毎日こんなつまらない仕事をしているのに、何であいつらは自分の好きなことで稼ぐことができるんだ?」という疑問は、時が経つにつれて「あいつらは楽をして大金を稼いでやがる!」という考えになっていく。

劣等感と、決して高給をもらっていない不安と、退屈を忌み嫌う人間の本能と、想像力不足。これらが化学反応を起こしてできたのが「嫉妬」という産物だ。

 

その上で、SNSとはWeb2.0の影響を大きく受けた世代の人々が確立させたプラットフォームだ。

15年くらい前までは「双方向コミュニケーション」が絶賛されていた。自分が知識を得られると同時に、自分の持つ知識を公に発信する。それを可能とするのがインターネットだ。世界中の知恵や知識が1ヶ所に集中すれば、きっと素晴らしいものが生まれる。

その考え方は決して間違いではないけれど、あくまでも多面体の中の一面に過ぎない。

日々溢れる情報をきちんと整理し、それを消化し、さらに自分の知識を語弊なく正確に発信できるというのはひとつの高等テクニック。はっきり言って、そんなことを鼻クソほじりながら楽々こなせる人間はそうそういない。そもそも、ごく平凡に生きてる限りは「発信できる知識」すら持ち合わせていないのが普通だ。

一番簡単な発信は、政治的な発言をすることと有名人を中傷すること。これなら猿でもできる。Web2.0は、人間世界には恐ろしい高さの「バカの壁」があるということを露わにしてしまった。

 

ところが、現代人は「何かを発信しなければ」という強迫観念を持っている。

それはあながち的外れな妄想というわけじゃない。現実問題、Webで稼げる人間は「多くの他人が閲覧したがる情報を発信できる者」だからだ。

Webライターに憧れる人間は多いけれど、その9割9分9厘は己のフェイバリット、誰もが耳と目を傾けるほどの枕を持ち合わせていない。そして我々の業界は、みんながぼんやり想像しているくらいの大きなパイはない。それは他の業界でも似たり寄ったりだ。

にもかかわらず、発信できる情報を何も持っていない一般市民に対して、「何かを発信しないと君は退屈な人生から抜け出せないよ」と無言の圧力をかけ続ける。それが2020年のネット世界であり、現代文明だ。

プレッシャーは大衆の胸の内で「焦り」となり、邪な正義感を発生させる。

一度狙った相手が自殺するまで、正義感の暴走は止まらない。