ウン十万円の会費を取るWebライター教室なんて早く辞めよう!
入会費だの月謝だのでウン十万円も要求するようなWebライター教室には、紙切れ1枚の価値もない。
澤田は恐らく、というより間違いなく少数派のWeb物書きで、SEOをあまり意識しない。その理由は簡単で、SEO最重視の「Google検索1位になれるような記事」はあと何年かすればAIが勝手に量産してくれるはずだからだ。
ところが、高額な会費を会員に要求するWebライター教室はとにかく「SEO記事を書け」の一辺倒。とりあえずそれさえ書けば1記事数百円で売れるから、要は「ウチの卒業生はこんなに稼いでるんですよ」と広告に書けるだけの実績を作らせたいというわけだ。
仮に教室で学んだスキルで月2万円稼ぐ生徒が出てきたら、教室の主宰者は「副業で月2万円稼げる!」と広告が打てる。生徒にSEO記事ばかり書かせる理由は、それだけだ。
このテの教室に通っているライター志望者は、自分の肉体が食われていること、他人に搾取されていることに早く気づいたほうがいい。
プロとしてライターを選ぶのなら、最重視することはたった一つ。
「1粒でも多くの米を取る」ということだ。
そのためには、取り上げる題材は他人と同じでもそれを独特のタッチで書き上げる能力がなきゃやっていけない。SEOを最優先にしてひたすら量産される記事の単価がベラボーに安いのは当たり前だ。
断言するけれど、SEO記事ライターはガソリン駆動車よりも遥かに早くこの世からいなくなる。AIは今の時点で短編小説なら書けるくらいになってるんだから、SEO記事なんて簡単だろう。
それと同時に、新製品のプレスリリースもやがてAIが書く時代になる。それじゃあ、人間のライターは何を書けばいいのか?
つまるところWeb物書きとは、「10年後のAI」との一騎打ちばかりを考えながら仕事をしている。
「澤田さんの記事には、プレスリリースでは書けないことが書かれてるんですよ」
製品の開発者からそう言われることがたまにある。それは澤田にとっての最大級の賛辞だ。
モノにしろコトにしろ、それを直に触って操作するのは人間だ。だからこそ「静岡の貧乏男の感想が記載されている記事」に少なくない付加価値が生じていると澤田は信じている。
自分語りだろうが主観的な記事だろうが、徹頭徹尾庶民の澤田がそのモノやコトに触れることで、記事の中に赤い血が通うようになるのは揺るぎない事実。そして澤田はそれを売って米を得ている。
「Webライター」なんて意識の高そうな単語の響きに惑わされてはいけない。この仕事、はっきり言って泥臭いぞ? いつでもどこでも裸になれる精神、恥をかいてもそれを糧にできる思考回路、骨を折ってくれたビジネスパートナーに対して正当な対価を払える金銭感覚、明らかに馬鹿げた商売には1粒の米も渡さない闘争心が絶対不可欠だ。
でなきゃ、マジでAIに仕事を奪われる。
Webライター教室にウン十万円払うなら、その金でとりあえずバイク買おうよ。
澤田のSV400Sは、車検と保険を抜くと19万8000円で買ったもの。バイクはいいぜ、マジで。訳の分からんライター教室よりも、遥かに純度の高い刺激や経験を得ることができる。
で、バイクでいろいろ移動したり楽しんだ経験が他のライターと差別化できる要素につながっていくんだから、これほど効率のいい自己投資はないと思う。
どうもねぇ……澤田と同世代の人間も含めて、「経験」や「スキル」という言葉の意味をカンチガイしてる人が多いんだよ、ここ数年。ナンタラカンタラ教室にウン十万円払う時も、その金でどれだけ美味いものが食えるのかとか、格好いい服買えるのかという視点を持ってないように思っちまうんだが。
もう一度書くけれど、入会費だの月謝だのでウン十万円も要求するようなWebライター教室には、紙切れ1枚の価値もない。