たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

ライターの仕事を「1文字〇円」で見るのはもうやめようぜ

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新型コロナは、ライター志望者を余計に増やしてしまった。

ただしそれは、今までにありがちだった「自分の主義主張を好きに書いてチャンスがあれば米をいただく」というものではなく、より現実的な事態に遭遇して「ライターになろう!」と決心する人が多くなった、というものだ。「現実的な事態」とは、平たく言えば1円でも多くの副収入がないと路頭に迷ってしまう……という意味に他ならない。

そういう人の大半は、澤田のようなメディアライターではなくSEOライターの道を行く。

SEOライターという職業についての澤田の展望は、はっきり言って敵を作りかねないものだ。Google検索のアルゴリズムを最重視する記事は、やがてAIが大量生産する時代になると澤田は見込んでいる。もちろんそれは、決して遠い未来の話ではない。SEOライターは駆逐されるか、AI設計のエンジニアに転向するしかないだろう。

それまで新参のSEOライターは「1文字〇円」という区切りの報酬でさんざんっぱらにコキ使われる。

 

「それまで1文字0.1円だったけど、これからは1文字1円で記事を書くようになった! やったぁ!」などとTwitterで書かないほうがいい。

「自分は文字単価で提示される仕事なんか絶対にやらない」と表明するべきだ。

少し考えれば分かるんだけど、仕事に対する報酬を細分化して受注側にメリットなんか一切発生しない。それは物書きに限らず、製造業でもそうだ。ある程度まとまったロット数に対して固定の料金を発注側から取ったほうが、こちらも稼ぎやすくなる。

そんな単純なことが、どうして分からないんだ!!!

文字数を水増しする記事より、筋肉質で内容の濃い記事のほうが読者に対する訴求力で大きな差が出るというのは、ライターでなくとも理解できる原理だろう。ところが、特にオウンドメディアの運営者はそれが理解できない。つまるところ「文字数=装飾」という発想で、長い記事は何となく見栄えするから我が社のサイトに飾っておこう……ということだ。

読者に対する訴求力云々は、外部のライターじゃなく内部の営業社員が考えること。ライターは長い文字数でお茶を濁す記事を書いてくれればそれでいい。

残念だけど、そんなナメた態度で人類最大の発明「文章」を見る会社がたくさんある。

そのテの会社にとって、「1文字〇円」という区切りは本当に都合がいい。優秀なAIが開発されるまで、物書きを酷使できるからだ。