たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

澤田とビクトル投げ

格闘技選手としての澤田のファーストキャリアは、木口道場川崎支部でのコンバットレスリング

そこの運営者は梶泰章先生という、柔道でもサンボでもノンジャケットのグラップリングでも滅茶苦茶強い人物だ。ビクトル投げという技も、この道場で初めて知った。それは「投げ」という呼び方をしていいのかという感じの、どちらかと言えば相手を引き込んで丸める技。柔道じゃ絶対使えないものだけど、サンボとグラップリングでは時たま見ることができる。

youtu.be

澤田が20代後半を迎えた頃に入門した静岡市のダブルライズでは、我らのビッグボスことブラックさんがビクトル投げをよくやる。

youtu.be

梶先生とブラックさん、どっちもビクトル投げのスペシャリストなんだけど、そのふたりに教わっているはずの澤田はなぜかビクトル投げが苦手。

上手く引き込むことも、首尾よく回ることもできない。澤田のスタイルはスピードも柔軟性もなく、とにかくベタベタした感じ。要するに、器用なグラップラーじゃないんだ。

こんな技を最初に考え出した人は凄ぇよな、と高校の頃にふと思ったりもしたんだけど、その張本人であるビクトル古賀さんが亡くなった。

グラップリングの歴史に大きな影響を与えた人物、というだけじゃない。たった一人で旧満州から日本へ逃れてきたという過去がある。当時僅か10歳の少年が馬に乗り、ソ連軍に追われながら地平線を駆け抜けついに日本に到着した。

コサックの血を引く少年は、己の勘のみで川を探し当て、太陽を見て方角を判断した。「真実は小説より奇なり」とはよく言ったものだ。

詳しくは、以下の本を読んでいただきたい。 

偉大な格闘家、ビクトル古賀さんのご冥福をお祈りします。