たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

田舎のサラリーマンは世間体のせいで定時帰宅できないという方程式

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いわゆる「働き方改革」は、首都圏だけのもんじゃねぇのかと澤田は思っている。

これが地方都市になると辛い。法律が整備され、会社経営者も開明的な人物だったとしても、「ご近所さん」がそれに立ちふさがる。

日本の田舎の住人は、未だに「ひっきりなしに仕事があるのはいいことだ」と思い込んでるからだ。

それはインターネットで労基関連の情報を集められるか否か、というデジタルデバイドの問題もあるのだろう。はっきり言っちまうけれど、静岡市と東京周辺とのデジタルデバイドの落差には澤田も愕然とする。静岡市には電波塔がない、という意味じゃねぇぞ。スマホにしろキャッシュレス決済にしろQRコードにしろ、試しにそれを使ってみようと考える人があまりにも少ない。

そんな調子だから、ネット上で労基問題の議論がどれだけ進んでいるかということが分からない。

ただ一番の要因は、そもそもの産業の少なさだと思う。

 

どこの自治体も大企業の工場誘致に熱心だったから、その地域の主軸産業は大企業の工場(と、その下請け工場)しかないということが珍しくない。モノカルチャー経済は一歩間違えると悲惨な事態に発展するのに、むしろ地方部の住人は「おらが町の工場」ということで誇りに感じてすらいる。

職業や働き方にも多様性がある、という常識が見えていない。

そうなると、みんなが頑張って残業している中で誰か一人が定時で帰宅すると、「あれ? ○○さんは随分早いね」と近所で噂される。

たかだか噂、と考えちゃダメだ。噂の蓄積こそが同調圧力なんだから。

 

世間体を気にした結果、残業に打ち込むということは少なくないと思う。

近所の人々だけでなく、己の嫁の親族一同が「今日も残業? 偉いねぇ!」という考えだったら、さすがに定時帰宅はできないだろう。

こうして「働き方改革」は机上のプランになっていく。