人生初の講座を終えて感じたこと
澤田の人生で初めて、他人様に教える側に回ったのは貴重な経験だった。
その中で課題も見えてきた。
まず、今回のテーマは「QRコード決済という概念」についてだったんだけど、その講座に集まったのは全員スマホビギナー。まあ、この辺は想定していたことだった。
で、スマホの使い方をはっきり把握していない人は、自分がGoogleアカウントを作っているかどうかも意識していない場合が殆どだということが分かった。Android端末でアプリをダウンロードしているんだからGoogleアカウントはあるはずなんだけど、「それって何です?」と返されてしまう。
端的に言えば、スマホビギナーに対して「QRコード決済」はあまりに高い壁だった。「何か質問ありますか?」と聞いたら、全員無言だった。
恐らく、いや間違いなく、澤田と受講者の間にはいくつもの高い「概念の壁」がある。そんな状況でQRコード決済講座は、はっきり言ってレベルに合わない難易度設定だった。
まずは「GAFAの提供するアカウント認証サービス」という壁から乗り越えないといけない。
GAFAで己のアカウントを作るということは、個人情報をGAFAに預けるという意味で、しかもそれを各々のスマホに反映させるという意味だ。
今回の講座の受講者が特に注目してくれたのは、以下のくだりだ。
東西冷戦時代の工業製品は、誰が使っても同じ性能を発揮した。岸信介だろうが池田勇人だろうが佐藤栄作だろうが長嶋茂雄だろうが王貞治だろうが力道山だろうがジャイアント馬場だろうが、正しい使い方をすればトランジスタラジオは等しく稼働する。
ところが、スマホは違う。個々の性質や思惑がはっきりと反映されてしまう。そしてそれに応じて、発揮されるパフォーマンスに差が出てくる。
結局、このあたりをもっと掘り下げて分かりやすく解説しないと、QRコード決済以前の問題になってくるわけだ。
ただし、「概念の壁を乗り越えないと使い方を教えても飲み込んでくれない」という澤田のある種の確信は、決して間違ってないと思う。