OYOの件で酷く凹んでいる澤田さん
OYOは、日本から撤退するかもしれない。少なくとも、このままの状態を放置しているわけにはいかんだろう。
AIが日毎の宿泊料金を決めるというシステムは、誰しもがOYOのアプリを使っている時にはものすごい攻撃力を発揮する。
ところが、東南アジアにある程度滞在していた人間ならともかく、普通の日本人は「OYO? 何それ美味しいの?」という感じだ。
誰もOYOを利用しない状況だと、FC加盟店にとってはOYOに払う費用ばかりが足枷になる。そこで摩擦が発生した、というわけか。
そんなOYOに、澤田は相当な期待感を持っていた。
日本国内の歴史探索旅行に、OYOのアプリは欠かせないものになっていくと筆者は確信している。
この時の澤田は、本気でそう思っていた。今思うと、恥ずかしいのだが。
質の悪い安宿をFCに組み込んで、ハイレベルなサービスの安宿に生まれ変わらせるというOYOの発想自体は素晴らしい。ところが、日本の安宿(民宿)はそもそもハイレベルだ。自前の料理を提供したりもするし、あとは防犯カメラと便器の洋式化、それと有料チャンネルの映る薄型テレビを一部屋1台設置すればそれでいい。
しかも、日本の民宿は昔からの顧客を抱えていたりもする。
それを分かってないOYOにいろいろ指図され、しかもFC料も取られる。
FC加盟店にも責任の一端はあるとはいえ、OYOはあまりにも日本の旅館事情を無視し過ぎた感がある。
そんなOYOの体質を見抜けなかったのは、澤田の重大な過失だ。
これ以上、どんなことを書いてもそれは言い訳に過ぎない。
ビジネスは、本当に難しい。