たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

台湾のIT担当大臣が日本人だったとしても、この国は絶対に変わらない

台湾のIT担当大臣オードリー・タンが、また話題になっている。

品薄状態のマスクの在庫を確認できるプラットフォームを、オードリーが数日で作った件だ。

www.mag2.com

「オードリーのような人材がIT担当大臣だったらどんなにいいか」という気持ちは、澤田もよく理解できる。

けれど、仮にオードリーが日本人で、今の印鑑存続派の大臣を椅子から引きずりおろしてIT大臣になったとしても、彼はネット民が期待するほどの活躍はできないと思う。

簡単な話で、もし日本で同じようなプラットフォームを政府が作ろうとしても……。

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という反応が最大票田にいる人々から返ってくる。

残念ながら、日本の地方部ではネット世論は強いインパクトを帯びていない。静岡市という土地でIT講座をやってみると、それがよく分かる。

スマホでタクシーを呼び出せるサービスを作ろう」と言っても、帰ってくるのは冷笑と嘲笑ばかり。地元新聞社の記者ですら「そんなのは必要ない」と言う始末。ちなみにその記者は自前のWebメディアを運営しているにもかからわず、「PV? UU? 何ですかそれ?」と澤田に尋ねていた。静岡経済新聞ってとこなんだけどね。

だからこそ地方ではNHKがとてつもない影響力を持っているわけだし、言い換えれば「NHKで報道していないことは真実ではない」という空気が存在する。

日本は台湾ほど若い国じゃない。

そういう事情があるのなら、一刻も早くスマホを介したインダストリー4.0を実現させてマンパワーを削減しよう……という意見が出てくるべきなんだけれど、その辺りは恐らく「何事にもカスタマーサービスを必要とする」日本人の国民性が絡んでるんじゃないかと澤田は思案している。

以前書いた「町の電気店」の話にも通じる。

sawada.hateblo.jp

オードリー・タンは日本に生まれなくてよかった、と思う。

出羽守になるつもりはないけれど、70年代に黄金期を迎えてしまった日本で「オンラインテクノロジーの有用性」を訴え続けることは非常に難しい。「日本は50年前に戻るべきだ」と考えている有権者が、あまりにも多い。

そうなると、結局は「情報格差=経済格差」の構図がますます顕著になっていくと澤田は考えている。