たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

関わりたくないこんなライター1:予言大好き人間

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物書きという仕事をやっていると、あんま関わりたくない性質の同業者にどうしても出くわす。

その話題をする時に必ず澤田が挙げるのが、「予言大好き人間」だ。

 

この予言大好き人間とは、実は己の枕のなさを棚に上げてるタイプなんだけどね。

何か物を書こうとすると、どうしてもネタが枯渇気味になる。それを発掘するには、己の足で動いてどうにかするしかない。けれどそれをやらずに、何か特定の分野で予言をすることでポイントを稼ごうとするライターも存在するわけだ。

どういうことか。澤田の周りで実際にあった例を挙げよう。

インドネシア高速鉄道計画が日本案から中国案に決まった時、「俺は最初からインドネシア政府は中国案を選ぶと確信していた」と主張する奴がいた。いや、それだけならまだしも「日本案になるわけがないのに、あの時澤田は“日本案有利”と報道していた」と言い出したんだな、そいつ。

これが予言大好き人間というやつだ。ついでに言うと、予言と予測はまた違う。

ライターの仕事は物事を予言することじゃない。事実をいろんな角度から観察することであって、その中で多少なりの己の見解を混ぜつつ、予測を立てる。それで澤田は米を取っているという自覚はちゃんと持っている。

仮にその見解がまったく的外れになったとしても、それはそれで構わない。当たり前だ。タイムマシンはまだ存在しないんだし、「なぜ見解が外れたのか」ということを研究材料にできる。ましてや予測なんて、外れてナンボじゃねえのか?

大体、公のメディアで一ライターが「これは必ずこうなる!」と断定口調で書けるわけないじゃないか。

未来のことを100%的中させなければ満足できないライター、はっきり言って迷惑だ。他人にその100%的中を押し付けるからね。

ところが、このテのライターはたまに見かける。繰り返すけれど、こういうタイプの同業者は意外とネタを持ってない。

 

予言大好き人間は、もし自分がデマを拡散した時にそれを撤回しようとはしない。

なぜなら、「自分は絶対に正しい」から。

で、そういうタイプが金銭的に困窮した時に始めるのが、いわゆる「自己啓発セミナー」だったりする。「これこれこういうことをやれば間違いなく儲かる! 間違いない!」という論調の内容で受講者から搾取しようとする。

ライターの世界で己のオピニオン性を発揮できず、切羽詰まって詐欺的なビジネスに手を出す例は珍しいことじゃない。

だから、どんなジャンルであれ予言をしたがるライターには要注意だ。