たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

ライターで月10万円以上稼ぎたいんなら、まずは政治と時事の話を書くのはやめよう

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特に話の枕を持ってない人間が個人ブログで何か書くとするならば、政治と時事の話をするのが一番手っ取り早い。

とりあえず、テメェが信じてる政治思想を持ち上げたり、それと対立する存在をボロクソ言えばひとつの記事として成立する。

ところがこれが「政治ネタの罠」というやつで、このテの記事に寄ってくるのは書き手と同程度の連中ばかり。連帯感を共有したい連中、とでも言えばいいか。

ナントカの背比べみたいに、似たり寄ったりの人間ばかりが集まるもんだから書き手はいつまで経っても成長しない。人間、己と異質の存在に出会ってこそ初めて成長する動物だからね。

しかもナントカの背比べは、時が経つと次第に仲間同士の争いが発生する。

思想の左右関係なく(それでも右側がより目立つんだけど)、過激なことを発言したりそれを本にして出版する人物は、果たして誰を意識しているのか? 自分の思想と対立する側の人間、じゃない。本当は自分の陣営にいる連中、つまり同業他者を意識しているわけだ。

 

ある人が「空手道場の話」をしてくれた。

とある空手道場が、入門者募集のポスターを作った。そのポスターは道場の中で特に強い奴を上半身裸にさせて強さと肉体美を披露する……という構図だったんだけど、そんなポスターを見て空手未経験者が「自分も空手やってみよう!」なんて思うだろうか。

厳つい写真のポスターを見て反応するのは、今から開拓すべきビギナー層じゃなくてライバルの同業他者だ。はっきり言っちまえば、この空手道場は初心者に空手を教える気なんかさらさらないというわけだね。

それと全く同じことが、物書きの世界では起こっている。「俺は他の連中よりもこんなに博識なんだぞ!」と主張することに徹して、結局は小さいパイの取り合いになっていることに気づかない奴らが本っっっ当に多い。

街でたまに見かけるデモ行進の参加者の顔を観察するといい。

連中の真の狙いは、己の前後左右に立ってる仲間よりも頭一つ分飛び出ることだ。「俺はいずれ、この界隈でこいつらよりも特別な存在になってやる」という思いが目から漂っている。その界隈はとんでもなく小さなパイしかなくて、しかも大半は自分より上に立っている奴らに食われちまってる事実に目を向けられない。現実を知るのが怖いからだ。

それに比べると、政治思想と関係のない界隈はキャパシティーが大きくて自由度も確保されている。

思想で人を選抜しないから、その分だけ中にいる人間の頭数が多い。新規開拓もやりやすい。

ライターで月10万円以上稼ぎたいんなら、まずは政治と時事の話を書くのはやめよう。

どうしても書きたいのなら、まずは月10万円を物書きの仕事で得るようになってからだ。そのほうがいろいろと健全だと思う。