たまには澤田もエンターテイナー

ノンフィクションライター澤田が、このブログではエンターテイナーになった気でいろいろ振る舞います。

情報商材を買うカネがあったら、野村克也の本を買え!

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 ノムさんは100歳まで生きると確信していたから、今回の訃報はショックだ。

物書きとしての澤田は、ノムさんからも絶大な影響を受けている。

ビジネスパーソンに人気の高いノムさんの本だけど、それは物書きにとっても同じだ。てか、TwitterやらnoteやらBrainやらで「コネなしから月収ウン百万円!」と煽る情報商材よりもノムさんの著書を読んだほうが、何億倍も身になると澤田は考えている。

 とくにノムさんが何度も書いていた、

・努力に即効性はない

・ひたすら考える

このふたつの要素は常に心掛けているつもりだ。

 

南海に入団した頃のノムさんは、契約金ゼロのテスト生だった。

いや、それどころか本人は「臨時雇いのブルペンキャッチャー」と言っていたから、ルーキー時代の待遇は最悪だ。

それが結果的には22年も南海の正捕手に君臨し続けた。ノムさん以外に一軍で100試合以上出場したのは、ノムさんの前の正捕手の松井淳と「弟子初号機」柴田猛だけ。しかも柴田は、ノムさんと全く同じ発想の捕手だった。

「どうやったらプロ野球の世界の中で生き残れるか」ということを徹底的に考えた結果、ノムさんのプレースタイルを超える選手はついに現れなかったということだ。

ノムさんの本を読んだ澤田は、「プロ野球選手とWeb物書きはそっくりどころか殆ど同じじゃねぇか!」と確信した。

物書きも常にサバイバルを強いられる商売。

ノムさんは何よりも、「自分たちで考える」ことを優先させる。ID野球はそのテンプレートを配って、一字一句そっくり実行に移させるという性質のものではない。「これこれこういうデータがある。その先はお前が考えろ」がID野球だ。

つまり、「ここをこうすれば必ず勝利できる」というわけじゃないということだね。

ある意味で、現代人の好みと逆行しているプロセスだと思う。

現代人は、できるだけ早く結果を求めたがる。自分が考えることすら面倒で時間がかかるからやりたがらない。誰かが既にパッケージ化した成果をカネで買おうとする。

だから、情報商材がよく売れる。

 

仮に、その情報商材のおかげで大金を手にしたとしようか。けれど、それは間違いなく一過性だ。次は絶対に来ない。

澤田が物書きとして成り上がったのは「奇跡」だと、以前にも書いた。けれどそれは「ただの男がWebメディアで書くようになった過程」の話だけであって、「物書きになったあとのサバイバル」は己の知識と身の振る舞いに頼るしかない。そのあたりは「奇跡」ではどうにもならない。

プロ野球の球団にドラフト指名されるのは、運の要素もあるだろう。問題はその先、年俸何百万円の育成選手になったあとは嫌でも己の脳みそで「サバイバルの方法」を思案しなければならない。

ID野球は、確かに面倒くさい。

けれど、それを身につけたら一生モノの財産になる。

だから、情報商材なんか買うカネがあったら、ノムさんの本を買おう。